この墨はどんな墨?

気軽に楽しく金、銀色の筆文字が書けるのです。彩煙墨、黒い墨を混ぜて使用すると、筆の跡は金、銀色、滲みは混ぜた色になります。白い和紙に書くと金と銀色が浮かび上がって見えます。

使い方はどうするの?

普通の墨と同じで硯で磨ってください。黒い墨の感覚では、濃墨以上に磨って下さい。後は黒い墨と同じです。

裏技はあるの?

金、銀色を濃くしたいときは、磨った墨液を5分間放置して、金、銀の成分が沈んだら少し上澄みを捨てて下さい。 和紙は厚いほど、また写経用の紺紙や濃く染めた染紙などにかきますと金、銀の発色はさらに効果的です。

他の墨とどうして混ぜたらいいの?

1. 金あるいは銀を磨ります。 2. 混色する墨を磨ります。 3. 筆に1、2の墨をつけて書きます。このとき1、2の墨の分量に差をいかにつけるか、絵皿で筆につけた墨をくずしてみる…などの工夫で一筆一筆に変化が現れます。墨が乾きますと幻想的な文字に変身します。この変化は白い紙が効果的です。

彩煙墨の使い方

普通の黒い墨と同じ硯で磨ってお使い下さい。
当工房で販売中のプラスチック製の硯も便利です。
磨ったら、筆につけて、描くだけ。
とっても、簡単で楽しくて、おもしろい!

彩煙墨(さいえんぼく)ってどんな墨?

彩煙墨という単語は、私(堀池)がつくった造語です。色の付いた墨に、いや普通の墨は黒い色ですがその黒を色に置き換えた墨です。よく、黒の中に青味の強い墨(青墨といわれています)があります。彩煙墨には青味の代わりにいろいろの色があります。黒い墨と混色により黒味に調整が出来ますし、色同士の混色で新しい色を作ることも出来ます。ただし、顔料ほど明確な基準どうりには行きませんが、味のある色合いが楽しめます。こんなこと?ありませんか。墨絵を描いていて、ここに色が欲しい!顔彩で色を入れると墨の黒とどうもしっくりしない、色が浮いてしまうのです。こんなときに、最高にピッタリします。

彩煙墨の色の重ね方(混色)

1.2つの色をしっかり混ぜる

蘇芳と藤色を絵皿などの上でしっかり混ぜて新しい色を創る
2.2つの色を別々に筆に取り和紙の上で自然に混ぜる
(1)

先ず、利休茶で書き乾かないうちに蘇芳を重ねる。
交わった箇所が微妙に交じり合い、素敵なハーモニーをかもす。
例:イチジク
(2)

先ず、利休茶で書き乾いてから蘇芳を重ねる。
両方の色がはっきり分かれている。
3.同じ色で濃淡の違いで重ねる
(1)濃墨で書いた上に水だけ含ませて線を引く。 (2)薄墨で書いた上に濃墨で線を引く

彩煙墨で柿を描きます

@用具を用意します。筆は腰の強い筆と水の含みの良い筆があると良いです。
A彩煙墨は柿を書くので、松葉色、利休茶、鳶色、珊瑚朱を用意
B腰の強い筆で柿の輪郭を描く。
C柿のへたを松葉色、利休茶で描き、枝を鳶色で描く。
D柿の実を珊瑚朱で描く。
コツは濃墨の彩煙墨をたっぷりと水を含ませた筆の先端に付けて
側筆(筆を寝かる)気味で描く

紀州墨 特大


紀州墨 中


紀州墨 小


大塔 小


枯茶墨

●[くまの]の煤が、ごく一部長時間残り、遠赤外線効果によっ  て変色した煤と膠だけを使用した、類をみない墨です。
●[大塔]よりも強い黒色とにじみを生み出します。
●にじみも大きく、濃度を30倍以上が薄墨作品の目安になります
●強い黒色。やや赤味をかんじます。
 不思議さを演出できるでしょう。
  

紀州墨

●松材を燃やして採取した煤と膠だけ、他の原料は一切入ってい ません。
 これが松煙墨の原点です。
●ゆっくり時間をかけて磨って下さい。濃墨では上品な艶のない 純黒色になります。
●濃墨を20倍程度に薄めると適度な、にじみを発し、その中に透 明感のある線が浮かびます。松煙墨ならではの美しさです。
●書が芸術として確立しその領域を広げるにしたがい、この透明 感のある墨色はますます必要不可欠になってきています。

大塔

●自家製の菜種油煙と膠だけの純粋な[油煙墨]。
●比較的に早くこってりした濃墨が作れます。
 濃墨は力強い艶のある墨色です。
●薄墨では、にじみが大きく薄墨作品にするなら濃度を30倍以上 に薄められることをお勧めいたします。
●墨液に粘りを感じたら[紀州墨]磨り込んで下さい。筆の動き がスムースになります。

くまの

●昭和の初期から当工房で製造し続けている鉱物性松煙と膠だけ の墨です。
●[紀州墨]と色味、にじみなどよく似ています。
 透明感よりも青色系統の黒色が特色となり、強い印象を与える 薄墨作品向きです。
●[紀州墨]に準じてお使い下さい。

紀州墨の濃度による色、にじみ見本

@は濃墨、Aは20倍墨液、Bは40倍墨液
※1ccの水を3分間磨った状態を濃墨としております。

枯茶墨の濃度による色、にじみ見本

@は濃墨、A-1は20倍墨液(にじみ小)、A-2は20倍墨液(にじみ大)、Bは40倍墨液
※1ccの水を3分間磨った状態を濃墨としております。

硯のお勧め理由

@白い硯面のために墨液の色がはっきりわかります。
Aプラスチック製で軽く、割れないので気楽に使えます。
B重ねて収納できるので、場所をとりません。

堀池の創った春夏秋冬(背景の山の色がポイント)彩煙墨使用

彩煙墨を使っていると、新しい世界が広がります。
顔彩よりも使いやすく、黒い墨と同じ原料なのでいやな滲みがない!!
彩煙墨どうしの混じりぐあいは絶妙です。
背後の山は、入れたい色を太筆にすべてつけて、
一気に、筆を回しながら描きました。
一筆で季節の山を表現したく、何度も、何度も挑戦しています。
ごめんなさい!裏打ちせずにスキャナーで撮影したので、光の線が入っています。特に、ふぐ

色のグラデーションを出してみよう(参考色・梅紫)

@彩煙墨を濃墨(汁粉かポタージュの濃さ)に磨る
A筆に十分に水を含ませ、筆先に少し濃墨をつける
B10秒程おき、側筆(筆を寝かせて、紙に対して穂先から筆の  付根まで)でエイッツと線を引く
C綺麗なグラデーションがでます。
D筆先につける濃墨の量で、大きく変化します。
この使い方は水墨画の直筆、半側筆、側筆と自由自在に試してください。

2色でコラボレーション(参考色・藤色と珊瑚朱)

@藤色と珊瑚朱で濃墨作ります
Aたっぷりと水を含ませた筆の先に藤色をつけ、側筆で線を引く
B同じく珊瑚朱で線を引く
Cたっぷりと水を含ませた筆の先の片側に藤色、反対側に珊瑚朱をつけて側筆で線を引く。
 微妙に線を引きながら筆を回し、2色が絡まるようにする。
D2色が交差したグラデーションができる
(この試墨は画仙紙を使用)
顔彩ではできない美しさ!

墨の大きさ


彩煙-墨五彩で描きました

彩煙-墨五彩で
水墨画家の松下黄沙先生に描いていただきました。
冬の秋田の”なまはげ”主として右は赤、紫、茶色左は緑、青系統で描いてみた。金でアクセントを入れてみた。5色が複雑に絡み合って滲み、かすれが色をさらに味のある発色に導いてくれそう。冬枯れの風景などのもおもしろいのではないでしょうか。黄沙

3色でコラボレーション(参考色・藤色、珊瑚朱と岩井茶)

@藤色、珊瑚朱と岩井茶で濃墨作ります
Aたっぷりと水を含ませた筆の先に岩井茶をつけ、側筆で線を引く
B同じく藤色、珊瑚朱で線を引く
Cたっぷりと水を含ませた筆の先のに藤色、珊瑚朱、岩井茶   をグルリとつけて側筆で線を引く。
 微妙に線を引きながら筆を回し、3色が絡まるようにする。
D3色が交差したグラデーションができる
 (この試墨は画仙紙を使用)

彩煙墨は滲みなど黒い墨と違いますか?

純松煙墨の紀州墨と比較します。
左、紀州墨 線の上から 濃 中 淡墨
中、彩煙墨・藍色  線の上から 濃 中 淡墨
右、彩煙墨・鶯色  線の上から 濃 中 淡墨
書き味、滲み、墨色共に良いと思う。但し、松煙墨と比べると見劣りしますが、色(カラー)があることはすばらしい長所通常の作品作りには問題ありません。

顔彩と彩煙墨は違いますか

墨絵などで、色を加えるさいに顔彩は良く使われます。
でも、墨は膠、顔彩は膠の変わりにアラビアゴム又は合成樹脂が用いられます。そのため墨とはあまり相性がよくありません。
又、顔彩は画用紙などには良いのですが、和紙には墨のように染み込んで滲む力は弱いように思います。
顔彩(焦茶)と彩煙墨(鳶色)を画仙紙の上で違いを比べてみました。
筆にはたっぷりの液を付け、ゆっくりとひきました。
堀池が引いたのですが、どなたでも同じようになります。

左・上から顔彩(濃墨)、顔彩(淡墨)、彩煙墨(濃墨)、彩煙墨(淡墨)
中・上から顔彩(濃墨)、顔彩(淡墨)
左・上から彩煙墨(濃墨)、彩煙墨(淡墨)
彩煙墨は滲みが美しくでます。

紫陽花を描きます

「紫陽花」
彩煙墨を使って描いています。
堀池が描きました。滲み,かすれなど等黒い墨と同じ感覚で色がある。墨が楽しく仕上げてくれました。使用した色・藤色、熨斗目花色、松葉色、利休茶、紀州墨

オーダーメイド墨のご注文の流れ(お客様)

1、どのような形の墨にするか選んでください。        長方形  丸 形  八角形               
長方形 幅 4cm × 長さ8cm  丸 形 直径 6.3cm   八角形    6.3cm              



4、決まった項目 ( 形  松煙墨か油煙墨  文字 )を郵送又はメールでお送り下さい。            これだけでOK!!です。 
5、当方に着きましたら必ずご返事いたします。 もし、2週間しても連絡が無い場合は、着信のミスが考えられます。ご一報下さい。



2、形の大きさに合わせて文字を書く又は選ぶ。      
 3、松煙墨か油煙墨を選ぶ。         

墨の完成 (お待たせいたしました)

桐箱に入れてお届けいたします。
プレゼント用には綺麗にラッピングします♪
墨はプレゼントに最適!!

墨工房・紀州松煙の流れ

1、依頼いただきました文字にあわせて、彫刻刀で彫り、木型を作成。
2、以降は、通常の松煙墨、油煙墨と同じ製法で完成させます。
3、乾燥期間に6ヶ月かかりますので、お引き渡しはご注文後6〜7ヶ月かかります。
なお、墨を作る期間は10月〜翌年4月です。
この期間内ならば、6〜7ヶ月ですが、5月〜9月の間のご注文の場合はさらに10月までの期間をプラスしてください。

硯で磨ってお使い下さい


混色により美しい色、滲みが楽しめます

赤、青、黄色の墨液を作り、
これらを混色し、紫、緑、橙色を作り
計6色でザックリと線を引きました。

彩煙墨に混色(鴬色に黄を加色)

彩煙墨五本セット(人気色その1)
鴬色に黄色を徐々に加えました。

彩煙墨に混色(梅紫に赤を加色)

彩煙墨五本セット(人気色その1)
の梅紫に赤色を徐々に加えました。

彩煙墨に混色(藍色に青を加色)

彩煙墨五本セット(人気色その1)
の藍色に青色を徐々に加えました。

彩煙墨十二本セット


彩煙墨五本セット『茶墨系』


彩煙墨五本セット『人気色その2』


彩煙墨加色・赤、青、黄


純油煙墨『大塔』


純松煙墨『紀州墨』


彩煙墨五本セット『人気色その1』の動画


彩煙墨五本セット『蒼墨系』の動画


金ト銀の動画


彩煙墨虹色セット


彩煙墨 墨五彩


虹色セットは面白い

煤(黒)の入らない、色の顔料のみの墨です。
絵の具の様なハッキリ、クッキリの色と墨の滲みなどの特徴があります。
日本の伝統色を作るときは黒い墨と混ぜて下さい。
色同士の混色もきれいに混じります。絵の具と比べて濁色になりずらいです。
和紙はもちろん洋紙、 布、木など水を弾かない物には描けます。
黒い墨と同様に硯で擦ってお使いください。
小さな墨ですが、減りが少なく相当に使えます。
10年経っても変質せずに楽しめます。